ラカンドン、自称ハチ・ウィニック(「真の民」)、主にメキシコ・チアパス州のメキシコ・グアテマラ国境付近に住むマヤ系インディアン、ただし一部のラカンドンはグアテマラ東部国境のベリーズに住むことがある。 ラカンドン族は、北ラカンドン族(ナジャ村とメンサベック村に居住)と南ラカンドン族(ボナンパクの古代マヤ遺跡の近くにあるラカンハ・チャン・サヤブ村に居住)に大別される。 21世紀初頭のラカンドン族の人口は300人から1,000人と推定されているが、ラカンドン語を話す人の数は600人程度とされることが多い。 ラカンドン族は、水、魚、狩猟、肥沃な土壌に恵まれた豊かな熱帯雨林に生息している。 ラカンドン族は最近まで孤立した原始的な生活様式を守ってきた。 彼らは農民であり、トウモロコシ、豆、カボチャ、トマトを混植して栽培している。 他の野菜や果物は別の畑で栽培することもある。

ラカンドン族の集落は、伝統的に単身世帯か、caribalesと呼ばれる数世帯の集合体からなる。 伝統的な家屋は茅葺き小屋で、壁の有無は問わないが、ラカンドン村の現代の家屋は、床と壁はコンクリート製で、屋根はトタンか茅葺きであることが多くなっている。 伝統的には茅の中に所持品を保管し、食料は籠に入れて屋根から吊るす。 工芸品としては、カヌーの製作、布の紡績と織物、皮革のなめし、樹皮布、網、ハンモック、陶器、笛、弓、石鏃の製作がある。 若者は洋服を着ることが多くなっているが、北部ラカンドン族の男性は膝丈のチュニック、北部女性はチュニックの下にカラフルなスカートを着用するのが一般的で、南部ラカンドン族は男女ともに足首丈のチュニックを着用する。 髪は男女ともに長く緩く結うのが習慣である。

歴史的にラカンドン族はローマ・カトリックの導入に抵抗し、伝統的な信仰を守ることに成功した数少ない中米インディアン集団であったが、21世紀にはプロテスタントがラカンドン族に多くの改宗者を獲得し、伝統宗教の実践は事実上消滅してしまった

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